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 米やイチゴのように、茶にもさまざまな品種がある。新たな品種はどうやって開発されているのか。前身から数えると1世紀を超える歴史をもつ静岡県農林技術研究所茶業研究センター(菊川市)を訪ねた。

 茶のコシヒカリとも言われる「やぶきた」、まろやかな甘みで病気に強い「つゆひかり」、バニラのような甘い香りが特徴的な「香駿(こうしゅん)」――。4月、センターの圃場(ほじょう)は、少しずつ違う緑色の茶木で彩られていた。約2500の品種や系統があり、新芽が育つタイミングも異なる。この時期ならではの風景だという。

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茶業研究センターには、約2500種に及ぶ品種や系統がある=2025年4月7日午後1時53分、静岡県菊川市倉沢、斉藤智子撮影
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センターの圃場では、生育のタイミングや特性の違う茶木が隣り合って栽培されている=2025年4月23日午後4時11分、静岡県菊川市倉沢、斉藤智子撮影

 茶の品種改良や栽培技術を研究するため、前身の県立農事試験場茶業部が発足したのは1908年。長年、県内の茶農家を支えてきた。

 静岡発祥の代表的な品種やぶ…

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